SureHandsOn ACME によりサーバー証明書の管理負荷を軽減しサービス開発の効率を向上
事例企業: 株式会社アルカディア
業種:ソフトウェア・情報通信・IT 規模:1~49人
事例カテゴリ:業務効率化
目的: サーバー証明書の更新自動化
採用製品: SSL/TLS サーバー証明書 SureServer SSL/TLS サーバー証明書 SureServer ウェブサイト
導入前の課題
サーバー証明書の発行や更新作業が開発を兼務する担当者の負担になっていた。
導入の目的・解決手段
サーバー証明書の更新自動化を目的に、SureHandsOn ACME の導入により実現した。
導入効果
自社でスクリプトを作成して、より簡単に効率よくサーバー証明書を管理できるようになった。
「新しいコンピューティング環境を創造する」を企業理念に掲げる株式会社アルカディア。1993 年に設立された同社は、災害情報などをメールや電話、FAX をはじめ、SNS や緊急速報メールなどに一斉に情報発信するサービスを提供しています。同社のサービスは、官公庁を中心に約 1,600 件に導入され、防災や消防関係の分野で役立っています。防災関連での運用実績が多くある同社では、サーバー証明書の更新漏れなどでサービスが停止することがないように、SureHandsOn ACME を導入し、更新の自動化を実現しました。
防災・減災ソリューションサービスの安定的な提供に求められたサーバー証明書の更新自動化
株式会社アルカディアでは、1993 年の創業期から音声合成技術の研究開発を進め、その技術を応用した各種のクラウドサービスを提供しています。代表的なサービスとなる SpeeCAN®RAIDEN(スピーキャン・ライデン)では、災害情報などをメール、電話、FAX、SNS、緊急速報メール、防災アプリ、防災行政無線などの各メディアに一斉に情報発信します。また、SpeeCAN®Timeline(スピーキャン・タイムライン)は、官公庁の防災危機管理担当者などが災害情報などを地図上で情報共有するサービスです。こうしたサービスの多くに、同社はサイバートラストのサーバー証明書「SureServer シリーズ」を採用してきました。導入の背景について、同社の技術部 チーフアーキテクト 藤井氏は次のように説明します。
「防災関連のサービスがメインなので、以前からサーバー証明書には国内での実績と信頼の高いサイバートラストを採用してきました。当社の主力サービスは SpeeCAN®RAIDEN や SpeeCAN®Timeline ですが、その他にも NET119 やクラウド型 AVM(Automatic Vehicle Monitoring)の UGOKUMON®、防災アプリ Hazardon® など、数多くのサービスを提供しています。また、コア技術の音声言語関連研究開発をベースに、数多くのサービスをどんどん立ち上げています。その一方で、サービスの立ち上げに伴って運用するドメイン数も 20 を超え、その管理が煩雑になっていました」。
官公庁や防災関係で広く利用されている同社のサービスは、派生的に関連するサービスが増える傾向にありました。藤井氏は「開発中心の会社なので、ドメインやサーバー証明書の管理などは、担当者が偏ってしまい、特定の個人に負担がかかる傾向にありました。これまで、サーバー証明書の更新が滞ってサービスが停止するような問題は起きていませんが、担当者の負担を減らして安全かつ効率的にサーバー証明書を更新する方法を求めていました。」と課題に触れます。
SureHandsOn ACME 導入は機能とサポート対応の充実が決め手
藤井氏は「サーバー証明書の自動化を検討した当初は、フリーで使えるツールも検討しました。しかし、当社のサービスを導入している官公庁や防災関連の事業者からの信頼を維持していくためにも、サイバートラストのサーバー証明書である SureServer を自動更新する対応が求められていました。そこで、サイバートラストのサポート窓口に相談したところ、SureHandsOn ACME を紹介してもらいました」と導入の経緯を振り返ります。
SureHandsOn ACME は、国際標準のACMEプロトコルを用いた証明書管理の自動化プログラムです。ACME は Automated Certificate Management Environment の略称で、ウェブサーバーと認証局との間の相互作用を自動化するための通信プロトコルです。
「サイバートラストのサーバー証明書に関連するサポートでは、以前から手厚い連絡をもらっていました。例えば、更新時期が近づくと漏れがないように注意喚起してくれるので、とても安心していました。そこで、SureHandsOn ACME の導入を前向きに検討することにしたのです。」と藤井氏は補足します。
独自のツールも開発しサーバー証明書の更新漏れを防ぎ申請の手間も軽減
SureHandsOn ACME の導入にあたり、同社では管理の手間を軽減するために独自の自動化ツールも開発しました。藤井氏は「ドメインのリストから、証明書の発行や更新を自動化するツールを作り SureHandsOn ACME と連携しました。ツールの開発にあたっては、サイバートラストのサポートに相談して、連携の方法などをアドバイスしてもらいました。」と話します。さらに「SureHandsOn ACME を活用した更新の自動化により、担当者の管理負担も大きく軽減されました。もともと、開発者が兼任でサーバー証明書の管理も担っていたので、更新時期が近づくと心理的にコード開発に集中できない、という見えない負担がありました。そうした不安を自動化で払拭できたので、開発者の生産性の向上と、見えないストレスの解消につながったと評価しています。」と藤井氏は導入の成果を語ります。
サービスの拡大に向けて今後もセキュリティ関連の提案に期待
今後に向けた取り組みについて、藤井氏は「サイバートラストはセキュリティ関連の技術も数多く提供しているので、当社のサービスを拡大していく上で、必要があれば相談したいと考えています。また、今回のように運用面での課題に対して SureHandsOn ACME を紹介してもらったように、今後も当社のサービスに関連した効果的な技術や対策があれば、積極的に提案してもらいたいと期待しています。」と話します。
導入企業様のご紹介
Computing Innovation®「新しいコンピューティング環境を創造する」を企業理念に掲げ、すべての人が安心して豊かに暮らせる社会を目指して、創業期より音声合成技術の研究開発を進めており、この音声合成技術を活用した防災・減災ソリューションサービスを全国の警察・自治体等の官公庁、消防組織、教育機関、企業団体等に提供しています。
https://www.arcadia.co.jp/