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エグゼクティブ対談

2014 年 03 月 03 日

第 4 回:「信頼・安全・便利」を実現する 最新の情報システムとは【後編】

対談者ご紹介

角 一幸(すみ かずゆき)様
TKC 代表取締役社長

1948 年、北海道生まれ。1972 年、北海道大学理学部を卒業し、TKC に入社。取締役営業本部副本部長、専務取締役地方公共団体事業部長、代表取締役副社長などを歴任し、2011 年 12 月、現職に就任。

平井 康文(ひらい やすふみ)様
シスコシステムズ合同会社 代表執行役員社長

1960 年、徳島県生まれ。1983 年、九州大学理学部数学科を卒業し、日本アイ・ビー・エムに入社。営業部門管理職を歴任するほか、米国 IBM コーポレーションに勤務。2003 年、マイクロソフト日本法人執行役員専務。2008 年、シスコシステムズに副社長として入社、2010 年、現職に就任。

阿多 親市(あた しんいち)様
ソフトバンク・テクノロジー 代表取締役社長 CEO

1958 年、兵庫県生まれ。1982 年、島根大学法文学部法学科を卒業し、アイワ入社。1987 年、マイクロソフト日本法人に入社。2003 年、ソフトバンク BB 常務取締役に就任後、ソフトバンクグループ各社の要職を経て、2013 年、現職に就任。

情報技術の利便性が飛躍的に向上する一方、利用上のリスクも高まっている。企業はどのような対応をすべきなのか。前編では最近の技術動向を踏まえた企業情報システムの設計や運用について意見を交わし、システム構築だけでなく、いかに運用ポリシーを定めていくかが肝心との指摘がなされた。そして話題は、セキュリティー分野で信頼の価値を作り出すための「連携の必要性」へと進む。

より便利に、そして、お客さまに信頼と安全を提供する

眞柄:企業の情報システムで、一般消費者向けに開発された IT 製品やサービスを利用するコンシューマーライゼーションにより、さまざまなデバイスを企業内ネットワークに接続したり、それらのデバイスを社外に持ち歩いたりすることで業務の生産性が向上する一方で、当然のことながらそれに付帯するリスクも増大しているという指摘がありました。そこで、情報システムにはなんらかの運用ポリシーの策定が必要になるわけです。しかし、その運用ポリシーを具体的に決めるには、社則なども変えなければならないような影響が出るかもしれません。情報システムを運用するにあたり、課題は何でしょうか。

角:まず、セキュリティを強化したり、担保したりする新しい技術の情報は把握しておきたいですね。その上で、当社が使っている技術がどういう状況に置かれていて、次はどう発展していくのかということには常に注意を払わなければなりません。さらに、情報システムによるサービスをお客さまに提供したり、サービスを受けたりする場合、契約書にどんな条項を盛り込むかが重要で、当社でも大変に苦慮しています。いうまでもなく、契約書の上ではお互いの権限と責任を明らかにし、サービスレベルのどこに線を引くのかということを明示するのですが、当社のお客さまもいろいろな価値観をお持ちの方がいらっしゃいますので一律には当てはめられません。これは運用ポリシーを作ることと同様に、難しいことだと思います。

相互連携で付加価値を高める

阿多:お客さまがサービス提供者に保証してもらいたいことは「完璧に事故をなくしてほしい」ということです。
セキュリティの世界に 100 %はありませんが、悪意のある挙動をするウェブページやウイルスなどのデータを、全世界の VPN 装置から集めてブラックリストを作り、それを使ってアクセスを拒否する機能が作動することは保証することができます。しかし、常に新たな脅威が発生していますから、その脅威を見つけ、情報の反映が完了するまでの期間は安全性を保証できないのです。しかし、すべてのお客さまが完全性を求めるなかにあって、信頼できる有用なサービスを実現し、提供し続けていくのが TKC のビジネスの価値そのものです。その条件のなかでどれだけ理想に近いサービスを提供するかが大切になってきますが、TKC ではそういった面で非常に努力されています。

平井:物理的なものも含め、情報システムのセキュリティという広大なフィールドで、現実問題としてはどこか 1 社だけで完全な保証を提供することは難しいのではないかと思います。そのため、さまざまな専門技術やノウハウを持つ企業間での連携が重要になります。今回はソフトバンク・テクノロジー、シスコシステムズ、サイバートラストの 3 社で協力してシステムを構築したことに大きな意味があります。今後は、いかに複数の企業で連携をしていけるかがシステムの質を決定するようになるのではないでしょうか。

眞柄:先日、セキュリティ分野の権威の方とお話をする機会がありました。そのときにアメリカでは莫大な資金力と優秀な人材を持つ軍需産業がセキュリティソリューションに取り組んでいるのに、日本の中小のベンチャー企業が提供する技術では世界的なレベルでの攻撃に太刀打ちできないのではないかとおっしゃっていました。要するに、日本独自の方法として、おっしゃるような専門企業が相互に連携することで付加価値を高めていくことが必要になるということですね。

新しい社会実現のきっかけに

角:当社は情報サービスを提供する立場ですが、そういう方法しかないと思います。「安全・安心」とよくいいますが、そもそも安全とは、安心とはどういう意味なのか、両者はどう違うのかということは定義されていない。トヨタでは「整理整頓」という言葉を定義していて、整理とは不要なものを捨てること、整頓とはものをあるべき場所に戻すこととしています。このように用語が定義されれば、なすべき行動を規定できるわけです。今回、当社では従業員が持ち歩くデバイスの安全性の確保と、全国に 70 カ所以上ある営業拠点に配置・管理していたサーバーを1つのデータセンターに統合することができたわけですが、これらはネットワークの安全やシステムの安心が保証されないとできません。

眞柄:TKC が次に取り組むべき課題は何でしょう。

平井:より大きな視野で見れば、TKC のシステムはまさに社会システムで、その上でバリューチェーンを実現しているといえます。いま日本が直面している社会問題として、少子高齢化のなかでの労働力の確保、女性が活躍できる場の創出などが求められていますが、このシステムを根付かせることで働き方の革新ができると私は考えています。社員、取引先がより柔軟に仕事に取り組むことができ、ワークライフバランス(プライベートと仕事が適切に両立した生活)やダイバーシティ(多様性)を実現する新しい社会へのきっかけとなるのではないでしょうか。TKC はそうした使命を持っていますし、弊社の経験を活かしてそれをご支援してきたいと思います。

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