2024 年 03 月 11 日
VMware ESXi 無償版提供終了: AlmaLinuxとKVM による代替手段について考えてみる
Broadcom に VMware が買収され、多くのユーザーから動向を注目されていましたが、ついに無償で提供されていた VMware ESXi Hypervisor ( 以下、無償版 VMware ESXi) が提供終了となりました。
無償版 VMware ESXi はオンプレ仮想基盤の定番ハイパーバイザーとして、IT エンジニア(特にインフラエンジニア)であれば一度は触れたか、少なくとも目にしたことのあるハイパーバイザーでしょう。( 筆者も新卒入社後、社内外を問わずあらゆる環境でお世話になってきました。)
今回の提供終了によって、特に無償で高品質な仮想化ソリューションとして無償版 VMware ESXi を利用していた小規模から中規模の企業ユーザーは、新たなハイパーバイザーへの乗り換えを模索する必要があるでしょう。
無償版 VMware ESXi の代替は?
無償版 VMware ESXi の代替として有力な選択肢として KVM (Kernel-based Virtual Machine カーネルベース仮想マシン ) があります。
KVM は Linux Kernel 内で動作するハイパーバイザーで、オープンソース・ソフトウェアとして開発されているため無償で利用することができます。
無償版 VMware ESX の代替として、機能面でも KVM は同等、あるいは無償版 VMware ESX で制限されていた高可用機能 ( ライブマイグレーションなど ) も KVM であれば無償で利用できます。
最近では AWS や GCP などのパブリッククラウドの基盤として採用されているなど大規模環境での実績もあるため、代替手段として申し分ありません。
AlmaLinux + KVM を VMware の代替として使う
KVM は Linux Kernel 上に実装されているため、最近の Linux ディストリビューションであれば特に問題なく利用することができます。しかし、サポート期間などはディストリビューションに大きく依存するため、特に企業で利用する場合は全体の安定性などを考慮して AlmaLinux と KVM を組み合わせるのがオススメです。
AlmaLinux は、無償で利用できるエンタープライズ Linux ディストリビューションです。RHEL(Red Hat Enterprise Linux)と互換性があり、動作の安定性や修正のリリース速度が早いことが特長です。
また、AlmaLinux ではサーバー管理ツール Cockpit( コックピット ) を利用することができるので、VMware vCenter と同じように Web ブラウザから仮想マシンの追加削除などの管理をすることもできます。
無償版 VMware ESXi と AlmaLinux + KVM の比較
無償版 VMware | AlmaLinux + KVM | ||
---|---|---|---|
コスト | 無償 | 無償 | |
サポート期間 | 7 年 | 10 年 | |
機能 | Web 管理ツール | ◯ | ◯ |
対応ゲスト OS | Windows, Linux など | Windows, Linux など | |
メモリ管理機能 | ◯ | ◯ | |
CPU 管理機能 | ◯ | ◯ | |
ライブマイグレーション | X | ◯ | |
ストレージマイグレーション | X | ◯ |
サイバートラストでは、AlmaLinux に対して有償のサポートサービスを提供しています。
万が一トラブルが起きた場合でも日本語で技術サポートを受けることができるため安心して利用できます。
VMware から AlmaLinux KVM へのリプレイスについては、今後も随時ブログなどで情報を発信していきますので、無償版 VMware ESXi の提供終了や、VMware の金額改定でお困りの方は、ぜひご相談ください。
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