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システムバックアップ

2021 年 02 月 22 日

第4回:どうやってシステムバックアップするの?

『みら子先輩と学ぶ、バックアップはじめの一歩』

連載『みら子先輩と学ぶ、バックアップはじめの一歩』は、企業のシステムを守るバックアップについて、みなさんと一緒に学んでいく特集です。登場人物は、入ったばかりの新入社員くるり君とベテランエンジニアのみら子さんです。

「バックアップってなに?」という簡単な疑問からはじまった本連載の第 4 回目は、「どうやってシステムバックアップするの?」です。

登場人物

みら子

ベテランエンジニア

くるり

入社したばかりの新入社員

第 4 回:どうやってシステムバックアップするの?

くるり:

みら子先輩、前回は「バックアップは、いつするの? 」のレクチャー、ありがとうございました。「いつすればよいか」というのはわかりました。で、次は、「どうやって」ということころを、もう少し詳しく教えてください!

みら子:

了解。システムバックアップとデータバックアップの違いもわかったみたいだから、まずは、システムバックアップから、いきましょう。

くるり:

はい。システムバックアップは、サーバが動くようになったとき、例えば、お客様に納品したときとか、セキュリティパッチをあてたときとか、OS のバージョンアップをしたときのように、 システム構成が変わったタイミングで実施 すると聞きました。

みら子:

なかなか、よく覚えているわね。その通り、システム構成が変わったタイミングで、つまり「ここ!」って切りがいいタイミングで行うの。

くるり:

では、システムバックアップを「ここ!」ってタイミングで、どうやって実行するのですか?

オフラインバックアップとオンラインバックアップの違い

みら子:

まず、知っておいてほしいことは、 システムバックアップを実行する方法には、オンラインバックアップとオフラインバックアップがある ということね。

くるり:

オンラインとオフライン?

みら子:

そう、オンラインとオフライン。インターネットにつながっていることをオンラインとか、つながっていないことをオフラインということが多いけど、こちらは、大まかにいうと、「 サーバの電源が入った、つまりオンの状態 」か「 サーバの電源が入っていない、つまりオフの状態 」のことを指すの。

くるり:

先輩、サーバの電源が入っていなくても、バックアップってとれるのですか?

みら子:

いいところをついてきたわね。そうなの、 オフラインバックアップといっても、サーバの電源をまったく入れない場合は、バックアップをとれない の。だから、さっき、「大まか」といったのは、そういう意味なの。

くるり:

大まかでなくて、詳しく教えてください!

みら子:

サーバは、起動するとき、指定されたディスクから立ち上がるというのは、分かる?

くるり:

はい、新人研修で習いました。パソコンでも、テスト用に Windows 7 と Windows 8 用にパーティションを切って、テストしたいバージョンを指定して起動したりするのと同じですね。

みら子:

なかなか勉強しているわね。サーバでも同じように、使いたい OS がインストールされたディスクを指定することで、その OS で起動できるの。オフラインバックアップの場合は、例えば、起動したいディスクとして、DVD ドライブにある DVD メディアを指定するの。

くるり:

それで、サーバを起動するわけですね。

みら子:

そう。起動すると、サーバが使っているディスクを認識できる仕掛けになっているの。例えば、サイバートラストの MIRACLE System Savior だと、こんな感じの起動画面が立ち上がってくるのよ。

MIRACLE System Savior の起動画面

くるり:

そのあと、どうするのですか?

みら子:

設定画面から、バックアップしたい対象とバックアップ先を指定して、実行するだけ だから、 たった数ステップで終了! なのね。

くるり:

すごいですね。それだけですか!!

みら子:

それだけよ。

くるり:

オンラインバックアップはどうですか?

みら子:

オンラインバックアップは、サーバが通常稼働しているときにシステムバックアップを取得する方法 ね。

くるり:

稼働中に取得するのですか。なんか難しそうですね。

みら子:

そうね、さっきのオフラインバックアップと違って、シンプルに!とはいかないの。

オンラインバックアップの注意点

くるり:

オンラインバックアップでは、どういうことを気にしないといけないのですか?

みら子:

大きく 2 つかな。1 つ目は、 オンラインバックアップは、ずっとサーバが稼働しているから、ある時間まで書き込まれた状態までをバックアップすることになる の。通常、オンランバックアップは、エージェントというソフトウェアをサーバで常時稼働させておいて、バックアップ対象がアップデートされたら、それを認識して、バックアップをすることになるの。
でも、システム起動中にディスクへのデータ書き込みが完了したかどうかは判断が難しいのよ。また、エージェントが他のソフトウェアと衝突したり、暴走したりといった問題を起こしがちなのね。

くるり:

なるほど。オフラインバックアップはどうなんですか?

みら子:

オフラインバックアップだと、サーバを停止しているから、バックアップを取得するときは、ファイルが読み込まれていたり、書き込まれたりといったこともないから、ファイルの取りこぼしはないの。

くるり:

つまり、 オフラインバックアップのデータは、バックアップデータとして信頼度が高い ということですね。システムバックアップデータから OS イメージが復旧できなかったら、目も当てられませんね ...

みら子:

そうよ。2 つめは、オンラインバックアップは、たいていデータバックアップと一緒に導入されることが多いから、データバックアップの設定なども含んで、構築作業が必要になるの。だから、デリバリー工数も増えるから、コストアップになってしまうわね。

くるり:

オフラインバックアップは構築費用が必要ですか?

みら子:

オフラインのシステムバックアップだと、起動ディスクがあればいいだけだから、誰でも簡単にシステムバックアップ作業を開始できる から、構築費用は特に必要ないわね。

くるり:

つまり、オンラインバックアップは複雑でコスト高、 オフラインバックアップは、シンプルで確実 ということですね。

みら子:

いいこというわね。

くるり:

では、オフラインバックアップの欠点って、なにかありますか?

みら子:

なかなか難しいところね。個人的には、欠点はないと思うけど、人によっては、バックアップをとるために、一度サーバを停止しないといけないことをいやがるわね。

くるり:

どうしてですか?

みら子:

例えば、サーバを停止するのは、日中ということは多くなくて、夜間や週末ということになると思うけど、システムバックアップの作業は、そうなると通常業務時間ではできないことが多いことかな。

くるり:

わかりました。きちんと計画停止できるようなプランを作っておくということですね。
ぼくは、きっちりしているので、大丈夫です!

みら子:

。。。


バックアップ用語集

オフラインバックアップ とは:
バックアップ手法の一つで、システムを停止した状態で行うバックアップのこと。一般的に、停止したシステムからデータが収まったファイルなどを丸ごと読み出してバックアップする。データが破損した際に、バックアップデータを丸ごとリストアすることにより、バックアップ取得時点の状態に完全に復元することができる。
OS やアプリケーションなど、更新頻度が低く、バックアップ頻度も少ないシステムデータなどのバックアップに適している。

オンラインバックアップ とは:
企業の情報システムなどで、システムやサーバを稼働状態のままバックアップすること。バックアップのためにシステムを停止することはせず、通常通り稼働させたままバックアップを実施する。
ユーザデータなど、毎日バックアップすることが望ましいような、更新頻度の高いデータのバックアップに適している。


新入社員のくるり君は、システムバックアップをどのように行うか、そして、オフラインバックアップとオンラインバックアップの違いがわかったようです。次回は、仮想化や最新サーバのシステムバックアップについて説明します。ぜひお楽しみに!


バックアップのチェックポイント

  • システムバックアップには、オンラインバックアップとオフラインバックアップがある
  • オンラインバックアップは、複雑になりがちで、コスト高になる
  • オフラインバックアップは、バックアップデータの信頼性も高く、シンプルに作業を実行できる

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