採用情報

お問い合わせ

BLOG

システムバックアップ

2021 年 01 月 21 日

第3回:バックアップは、いつするの?

『みら子先輩と学ぶ、バックアップはじめの一歩』

連載『みら子先輩と学ぶ、バックアップはじめの一歩』は、企業のシステムを守るバックアップについて、みなさんと一緒に学んでいく特集です。登場人物は、入ったばかりの新入社員くるり君とベテランエンジニアのみら子さんです。

「バックアップってなに?」という簡単な疑問からはじまった本連載の第 3 回目は、「バックアップアップは、いつするの?」です。

登場人物

みら子

ベテランエンジニア。

くるり

入社したばかりの新入社員

第 3 回:バックアップは、いつするの?

くるり:

みら子先輩、前回は「バックアップには種類がある? 」のレクチャー、ありがとうございました。だんだんと、バックアップについて分かってきました。で、ぼくもバックアップ作業をきちんとしていこうと思っているんです。

みら子:

お!いい心がけね。

くるり:

はい、ぼくは、いつも心がけがすばらしいって、言われているんです!

みら子:

。。。。

システムバックアップをするときは?

くるり:

で、バックアップって、いつするものなんですか? お昼休みとか食事に行っている間に、「ちゃちゃちゃ」とやったりしたらいいのですか?

みら子:

それもひとつのやり方だけど、やっぱり、バックアップはきちんとスケジュールを決めてやっておくことが重要よ。というのは、前回、バックアップでとったデータは、きちんと戻さないといけないと言ったでしょ?

くるり:

はい、 システムバックアップとデータバックアップのデータを順番に戻す という話ですね。

みら子:

そう。データを戻すには、「いつ、どういう条件でバックアップしたか?」ということをきちんと記録しておかないと、データがむちゃくちゃになってしまうのよ。先週とったデータか、1 年前にとったデータかが、どれがどっちかが分からなかったら、バックアップを復旧するのに困るでしょう?

くるり:

はい、その通りです。

みら子:

だから、まず、 バックアップをとるときには、いつ、どのデータをとるかを決める必要がある のね。

くるり:

わかりました。では、システムバックアップとデータバックアップでも、考え方が違うのですか?

みら子:

いいポイントね。前にも話をしたと思うけど、システムバックアップは、サーバが動くようになったとき、例えば、お客様に納品したときとか、セキュリティパッチをあてたときとか、OS のバージョンアップをしたときのように、システム構成が変わったタイミングで実施するのがいいわよ。

データバックアップをするときは?

くるり:

それはわかりやすいですね。データバックアップの場合は、どうですか?

くるり:

サーバがどういう用途のシステムなのかに依存するわ。例えば、会社の経理データだと、1 年に 1 回のデータバックアップだと、経理データがなくなると怖いよね。

はい、決算できなくなったりするかもしれません。

みら子:

そうそう。だから、できる限りマメにとる必要があるわよ。少なくとも、一日一回はとるようにするとかね。でも、あまりデータが更新されないような、そうね、例えば、人が少ない部署の共有ファイルサーバのように、それほどデータが増えないようなら、1 週間に 1 回週末にバックアップするとかね。

くるり:

つまり、そのサーバに保存されるデータがどれくらいの頻度で更新されるのか? とか、そのデータがどれくらい重要なのか? とかを理解してから、決めればいいのですね。

その通り!

バックアップは、どこにするの?

くるり:

では、次の質問なんですが、 バックアップは、どこにとったらいいのでしょうか?
ウチのパソコンだと、USB に外付けのハードディスクを接続してバックアップしているんです。でも、最近ニュースで、クラウドバックアップという言葉をよく聞くのですが ... どうなんでしょうか?

みら子:

その質問も、なかなかいいわね。
サーバに格納されているデータは大きいから、 バックアップに必要になる容量を考えて保存先を考える ことになるの。

くるり:

まず、容量と。。次はどんなことを考えたらいいのですか?

みら子:

クラウドバックアップのように、テクノロジーの変化も気にする必要もあるわ。

くるり:

テクノロジーの変化?

テープ、ディスク、クラウド、メディア

みら子:

例えば、昔は、テープにバックアップをとるというのが、一般的だったの。今も、テープは使われているけど、サーバやストレージに格納されているデータ量がかなり増えたから、テープだとバックアップに時間がかかりすぎて、予定時間内に終了しないということもでてきたの。
そういったときに使われるようになったのは、ハードディスクね。価格が下がって、容量も大きくなったので、今は、一番使われているかもしれない。SSD* も使われることが増えてきたわね。

くるり:

クラウドバックアップは?

みら子:

最近、流行ってきている方法よ。クラウドが一般的になるにつれて、特に古いデータなんかは、クラウド上にバックアップをとって、保存するということも多いのよ。

くるり:

わかりました。では、システムバックアップとデータバックアップで、保存先の選択で違いはありますか?

みら子:

システムバックアップだと、それほどのバックアップに必要な容量は必要がないから、USB メモリにバックアップとることが多いかしら。
サイバートラストの MIRACLE System Savior だと、ネットワーク上にあるストレージにも対応しているから、NFS や NAS、Windows 共有フォルダ、Samba 上にもバックアップを保存できるわ。

くるり:

いろいろと選択肢があるんですね。

みら子:

そうなの。 サーバが故障したときに、どう復旧するかなどを考えながら、バックアップ先を決めることが大切 なの。
例えば、ネットワークに接続できない環境で復旧しないといけない場合だと、ネットワーク上のストレージにシステムバックアップをとるのは、おすすめできないからね。

データバックアップってなに?

フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップ

くるり:

わかりました。では、データバックアップはどうですか?

みら子:

データバックアップは、どんなデータをバックアップするかという点から、 フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップ の 3 つにわけられるの。基本となるのは、フルバックアップよ。

くるり:

3つあって、基本はフルバックアップ、と。
フルバックアップってどういうものですか?

みら子:

フルバックアップは、すべてのデータを毎回バックアップする方法 。例えば 1 日 1 回夜中の 12 時に実施するとかね。とっても シンプルな方法なので、実行しやすいし、復旧もしやすいというメリット もあるんだけどね。

くるり:

あるんだけど??

みら子:

バックアップしないといけないデータが大きくなると、フルバックアップに必要な時間が長くなってしまうの。一晩中かかっても、バックアップが終わらなかったりしてね。あとは、例えば、月曜日から日曜日まで毎日バックアップデータを保存するような場合は、大量のテープや大容量のストレージが必要になってしまうから、お金もかなりかかってしまう。そして、バックアップを定期的にとっていたと思ったら、実はバックアップ先の容量が不足していたため、バックアップ が取れていなかった ... なんていうことは、結構あるのよ。

くるり:

こわーい。じゃ、差分バックアップはどうですか?

みら子:

差分バックアップは、最初の一回はフルバックアップを実施して、そのあとは、差分、つまり変更した部分ね、これをバックアップする方法。例えば、月曜日から日曜日までバックアップを行うとすると、月曜日にはフルバックアップを行って、火曜日から日曜日までは月曜日から変更された部分だけをバックアップを実施するというようなやり方よ。

差分バックアップのイメージ

くるり:

メリットはどうですか?

みら子:

差分バックアップは、フルバックアップよりも全体のバックアップデータ量が少なくてすむし、バックアップ時間も短くなる ことがメリットかな。復旧も、比較的簡単よ。

くるり:

では、最後の増分バックアップはどうですか?

みら子:

増分バックアップは、前回のバックアップから変更されたデータだけをバックアップする方法。例えば、月曜日から日曜日までバックアップを行うとすると、月曜日にはフルバックアップを行って、火曜日から日曜日までは前日から変更された部分だけをバックアップを実施するというようなやり方ね。

増分バックアップのイメージ

くるり:

メリットはどうですか?

みら子:

増分バックアップは、フルバックアップよりも全体のバックアップデータ量は少なくてすむし、バックアップ時間も 3 つの中では一番短くなる ことがメリットね。 でも、データを復旧させるためには、使わないといけないバックアップデータが多数になるから、復旧する時の手間がかかるし、時間も長くかかることが課題ね。

くるり:

メリット、デメリットがいろいろあるんですね。

みら子:

そうなの。だから、 バックアップは実行前にしっかり考えることが重要 なの。

くるり:

わかりました。ありがとうございます。これから、バックアップの方針を決めます!

みら子:

がんばってね!

くるり:

ありがとうございます。なんとなく、わかってきました!

みら子:

なんとなく。。。

* バックアップ用語集

SSD とは:
ソリッドステートドライブ(Solid State Drive)の略。半導体素子メモリを用いたストレージ(特に、ディスクドライブ)として扱うことのできるデバイスで、ハードディスク(HDD)の代わりになる記憶装置。


新入社員のくるり君は、いつ、どこにバックアップするかがわかったようです。次回は、どのようにバックアップをするかについて説明します。ぜひお楽しみに!

バックアップのチェックポイント

バックアップを実行するタイミング

  • システムバックアップは,サーバの構成が変わったとき。
  • データバックアップは、データの重要性、変更量を考慮して、実行するタイミングを決める。

バックアップの保存先は

  • テープ、USB メモリ、ディスク、クラウドなどの中から、容量と、どのように復旧させるかを考えて、選択すること

本記事に関連するリンク
CentOS 7 延長サポートサービス
デジタルトランスフォーメーションのための電子認証基盤 iTrust
SSL/TLS サーバー証明書 SureServer Prime