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サイバートラスト 製品サービス 導入事例

気象や通信などの新技術からソリューションを開発する基盤製品に MIRACLE LINUX と MIRACLE FailSafe を採用

事例企業: 日鉄ソリューションズ株式会社

導入前の課題

通信最適化・高速データ伝送ソリューション「えぬえすあかり」では、OS を含めた長期サポートの提供と国際的なカントリーリスクの低減。位置情報利活用・高精度測位ソリューション「nsichika!」では、高精度測位に使用する RTK 基準局・移動局端末の OS とアプリケーションの可用性を高めるため、自身で SW 障害を監視して正常な状態で稼働し続ける仕組みの提供が課題となっていた。

導入の目的・解決手段

純国産ソフトウェアである「えぬえすあかり」では、NSSOL が販売する長期 10 年保証の純国産サーバー製品「HAGANE」上の OS として純国産で販売され 10 年間の長期保守サポートが提供されている MIRACLE LINUX を採用した。また、「nsichika!」では、シンプルで使いやすい形で障害検知と対応、その記録などが簡単な GUI からできる MIRACLE FailSafe を採用した。

導入効果

「えぬえすあかり」は、長期保守の実現と国際的なカントリーリスクの影響を低減することができるようになり、製造業を中心に PoC の引き合いが増加。通信に課題がある国外や拠点において、ビジネス機会が増えた。「nsichika!」では、サーバーのプロセスが落ちたときや、ハードウェアの再起動が起きたときなど、障害を監視して正常な状態でシステムが自動復旧できるようになった。

日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)では、既存事業で培ったソリューションと長期 10 年保証のサーバー製品「HAGANE」を用いて、より広くの企業に展開する新しいソリューションを開発している。その中の通信最適化・高速データ伝送ソリューション「えぬえすあかり」でサイバートラストの MIRACLE LINUX を、高精度測位ソリューション「nsichika!(えぬえすいちか)」で MIRACLE FailSafe を採用した。

NSSOL は、公共・公益分野のニーズ・シーズをもとにソリューションを開発・販売する過程で、いくつかの課題があった。

通信最適化・高速データ伝送ソリューション「えぬえすあかり」で MIRACLE LINUX を採用

NSSOL の社会公共ソリューション事業部では、官公庁向けのソリューション事業から生まれたソリューションを横串で束ね、他の企業などに広く展開できる商材を開発するソリューション開発部を 2020 年度に新設しました。

「社会公共ソリューション事業部は、主に官公庁を相手にしてビジネスを展開しています。その中で、気象や通信などにおいて、未来に向けた少し投機的な新技術からソリューションを提案するケースがありました。これを、そのお客様をトリガーに新しいソリューションを世の中に展開できないかということでいろいろ開発しているのがソリューション開発部です」と、ソリューション開発部 第 3 グループリーダーの竹中孝吏氏は語ります。

通信最適化・高速データ伝送ソリューション「えぬえすあかり」は、人工衛星の大容量画像データを海外に高速に送りたいというニーズが起点となり、そのソリューションをもとに、一般企業などに向けて「えぬえすあかり」として販売しています。

「えぬえすあかり」は、通信上の課題を独自の技術で解決して高速化するソリューションです。通信遅延が大きい遠隔地との大容量データ伝送やパケットロスが多発するような低品質回線においても、高速なネットワーク通信を可能にします。この仕組みは、一般の TCP 通信ではパケットロスがあるとスループットが大きく落ちるところを高いパケットロス耐性で防ぎ、応答待ち時間を最小化して通信距離による影響を低減します。これを、たとえば拠点間通信など NSSOL 社のさまざまなソリューションに応用して新たな価値を創出しています。

提供形態としては、ファイル転送専用ツールと、TCP 通信を汎用で高速化する通信アクセラレータの 2 種類があります。後者の通信アクセラレータにおいて、サイバートラストの OS である MIRACLE LINUX を採用しました。

MIRACLE LINUX 採用の理由として「純国産」を、ソリューション開発部 第 3 グループ チームリーダーの菊尾勇氏は挙げます。

通信は国際的なカントリーリスクの影響を受ける分野であることから、ハードウェアとしては NSSOL が販売する長期 10 年保証の純国産サーバー製品「HAGANE」を活用し、その上の OS として純国産で販売されサポートされる MIRACLE LINUX を動かし、その上で純国産ソフトウェアである「えぬえすあかり」を動作させます。

もともと「HAGANE」では OS の 1 つとして MIRACLE LINUX を採用しています。

「HAGANE の特長の 1 つに 10 年の長期保守がありますが、OS の長期保守が課題となっていました。そこで、サイバートラストとのコラボレーションにより、純国産で長期保証に対応する MIRACLE LINUX を HAGANE に搭載して販売しています」と菊尾氏は語ります。「えぬえすあかり」も、アプライアンスとして長期間動かすものであり、純国産で長期サポートが受けられることが MIRACLELINUX 採用につながりました。

「えぬえすあかり」は、製造業を中心に PoC の引き合いが多いと言います。特に海外に拠点のある製造業の企業で通信に課題があるので、実案件につながります。そのほか、ソリューション開発部として複数のソリューションを束ねたことを活かし、全国に多数の拠点と多数の端末を抱えている官公庁向けにも「えぬえすあかり」を提案しようと考えていると菊尾氏は語ります。

ソリューション開発部 第 3 グループリーダー
竹中孝吏 氏
ソリューション開発部 第 3 グループ チームリーダー
菊尾勇 氏

高精度測位ソリューション「nsichika!」で MIRACLE FailSafe を採用

もう 1 つの高精度測位ソリューション「nsichika!」は、RTK(Real-TimeKinematic)技術や準天頂衛星「みちびき」のセンチメータ級測位補強サービスを用いた測位を業務に適用するソリューションです。

一般的な GPS による測位では、どうしても 1 〜2m 程度は誤差が発生します。RTK では、固定の場所に設置した基準局で生成される補正情報を移動局に送信し、搬送波位相による精密な測位をすることで、センチメートル級の位置把握を可能にします。

これまで RTK の受信機は数十万から数百万円と高価でしたが、最近では安価な受信機が販売されるようになりました。そこで、RTK を製造業や物流、設備管理などに応用するソリューションが「nsichika!」です。NSSOL の検証では、実際の製造・物流現場で測位精度検証やリアルタイムモニタリングを行い、実業務への適用可否を確認しています。

「たとえば、地盤のずれの定点観測にも使えるでしょうし、コンテナや積荷の正確な置き場を管理するとか、設備の変動を検出するとかいった用途も考えられます」とソリューション開発部 第 3 グループ エキスパートの三神良平氏は語ります。

「nsichika!」では、基準局や移動局のインテグレーションから、データを利活用するためのコンサルティング、システム開発、クラウドでのデータ見える化まで、トータルでソリューションを提供します。

このうち基準局キットは、HAGANE ブランドで販売する IoT 用の小型で頑丈なサーバーで動作します。その可用性を高めるために、サイバートラストのシングルサーバー向け HA ソリューション「MIRACLE FailSafe」を採用しました。

基準局は、設置したら無人で動かし続けるため、たとえばサーバーのプロセスが落ちたときや、ハードウェアの再起動が起きたときなど、障害を監視して正常な状態で RTK のシステムが動くよう自動復旧してくれるツールが必要でした。ただし、サーバーを冗長化するような大掛かりな製品では用途に合わないため、シンプルで使いやすい形で障害検知と対応、その記録などが簡単な GUI からできるものを探していました。そこで選ばれたのが MIRACLE FailSafe でした。

別案件でサイバートラストによる CentOS のサポートサービスを採用したことがあり、そのときに MIRACLE FailSafe を知りました。

それが「nsichika!」の障害検知に MIRACLEFailSafe を検討するきっかけになりました。

「MIRACLE FailSafe という製品は、われわれの期待どおりで、本番稼働させるときに助けになると思っています」と三神氏。今後については、保守サポートや機能の企画でコラボレートできればと思っていると語りました。

ソリューション開発部 第 3 グループ エキスパート
三神良平 氏

社内の他部門とも連携してソリューションを販売していく

ソリューション開発部は、社会公共ソリューション事業部の中でセグメントごとに分かれていたソリューションを束ねる形で発足しました。NSSOL にはそのほか、インフラやクラウドなどを扱う IT インフラソリューション事業本部や、IoX ソリューション事業推進部、ローカル 5G などを扱うテレコムソリューション事業部などもあります。

ソリューション開発部ではいま、そうした社内の他部門のソリューションともコラボレーションを考えています。「ほかの事業部と連携しながらソリューション開発部のソリューションを売っていきたい」と竹中氏は言います。たとえば「nsichika!」では、IoX ソリューションのためのデータ収集に使えないかと考えていると言います。

こうしたソリューション開発部の取り組みを推進するにあたり、菊尾氏は「えぬえすあかり」を国内でサポートできる体制としてサイバートラストへの期待を示しました。「えぬえすあかりは通信ソリューションなので、OS と通信レイヤーで何か密接にコラボレーションできればとも思っています」。

※ 記事中の情報は、掲載時点のものです。(2020 年 11 月 5 日)

HAGANE、えぬえすあかり、nsichika! は、日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。

導入企業様のご紹介
日鉄ソリューションズ株式会社
システム開発・運用、コンサルティングサービスといったIT のインテグレーションを長年にわたり蓄積・強化し、お客様の幅広い課題を解決しています。加えてお客様と深く長きにわたるパートナーシップを築くことで、より抜本的な経営課題への対処や、新マーケットの開拓などに取り組んでいます。 https://www.nssol.nipponsteel.com/
この事例の製品・サービスのウェブサイト

MIRACLE LINUX
MIRACLE FailSafe

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