情報発信力の高いチケットブースやミュージアムショップで最新の情報をタイムリーに表示
事例企業: 東京国立博物館(株式会社 丹青社)
導入前の課題
Web コンテンツと独自コンテンツを複数の拠点から配信できる仕組みを検討
正門リニューアルに伴い、来館者に当日行われている展示やイベント情報をデジタルサイネージで提供し、より効果的に館内を巡っていただきたいというニーズがありました。 当日の情報は Web サイトで掲載しているため、その情報をサイネージに表示する仕組みにする必要がありましたが、現行の Web サイトの構築も手がけており、データ連携の為の API 機能は短期間で開発可能と考えました。 また、チケット売場で窓口の上に設置するサイネージコンテンツは、習得時間を必要としない一般的なソフトで作る必要がありました。導入の目的・解決手段
シンプルな操作性と複数の担当部門で更新可能な利便性により採用を決定
複雑な専用エディターや管理機能は必要なく、博物館の複数の部門の担当者が簡単に操作できることが求められていました。 他社製品を比較検討した結果、シンプルな操作性と価格面が決め手になりました。また、サポート体制や製品として実績のあることも選定のポイントになり、MVS に決定しました。 実際の運用は、PowerPoint で作成した静止画コンテンツと Web コンテンツを異なる担当部門で更新するため、リモートデスクトップ上で場所を選ばず、更新できることも採用のポイントになりました。導入効果
簡単な操作で運用の手間を削減 Web コンテンツでタイムリーな情報発信
チケット売場は、来館者の混雑状況に応じてサイネージのコンテンツ表示を切り替えるだけで柔軟に窓口の数を変更できるようになりました。 初期設定時にディスプレイのメーカーによって設定が異なる問題がありましたが、ミラクル・リナックスの営業担当者のサポートがあり、技術的な課題も解消でき安心して稼働できました。 操作が単純であることと、実際に運用する担当者向けに説明会を実施したことで問題なく運用でき、タイムリーな情報発信が実現できています。東京国立博物館は、明治 5 年に創立された日本で最も長い歴史をもつ博物館で、本館を中心に表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館などの展示館があります。2014 年 4 月に上野公園の噴水広場に臨む正門のチケット売場が、インフォメーションとミュージアムショップ、託児室をあわせた「正門プラザ」としてリニューアルされました。
このリニューアルに伴って、チケット売場のブースには開催中の総合文化展・特別展のチケット情報が分かる掲示板、また正門プラザ内ラウンジでは当日の主な展示や催し物などが一目で分かる掲示板として、デジタルサイネージ MIRACLE VISUAL STATION(MVS)が採用されました。 混雑時なども、チケット購入の待ち時間にデジタルサイネージで配信される展示の見どころやガイドツアーなどを事前に確認することができ、来館者の待ち時間を有効に活用しています。
「正門プラザ」に MVS のシステムを構築した丹青社のご担当者に選定から導入に至った経緯を伺いました。
ユーザーニーズ
- 設置場所から離れた複数部門から、コンテンツ配信できる仕組み
- リモートでの管理に適する運用の信頼性
- 操作の簡便性
ユーザーセレクト
「MIRACLE VISUAL STATION DS210」
Web と連動したサイネージ用コンテンツやテンプレートを活用した PowerPoint コンテンツを用途によって使い分けし、来館者に向けて効果的でタイムリーな情報提供を実現
丹青社は、「こころを動かす空間創造のプロフェッショナル」として、商業空間や文化空間、イベント空間等、人が行き交うあらゆる空間づくりの課題解決をおこなっている会社です。調査・企画から、デザイン・設計、制作・施工、運営まで、空間づくりのあらゆるプロセスをサポートしています。文化空間事業部では、公共施設の基本設計・内装や付随する情報システムの構築を担っており、東京国立博物館でも、特別展などの計画や空間デザイン、Web サイトのリニューアルを行うなど、様々な場面で実績があります。正門前のチケット売場のリニューアルに伴って、MIRACLE VISUAL STATION(MVS)を提案・システム導入した丹青社の高橋氏に導入までのお話を聞きました。
チケット売場の刷新とチケット売場に面するミュージアムショップの新設にあたって、デジタルサイネージの導入を当初から検討していました。サイネージ自体は館内で既に活用していたのでその機能やタイムリーに情報発信できる利便性などを高く評価していました。機種の選定は、これまでいくつかの製品を使用してきた結果、安定した稼働と価格面から Linux ベースの製品を探しておりミラクル・リナックスの製品にたどり着きました。
「複雑な専用エディターや管理機能はもともと求めていなかったので、シンプルで使い勝手がよく、すぐに覚えられる製品を探していました。MIRACLE VISUAL STATION は管理画面が分かりやすく、ハードウェアが工業製品なので堅牢で安定しているのが安心できました」と高橋氏は語ります。「使いやすさが一番のポイントでしたが、公共機関で使うには万が一の保証も必要で、製品として実績もあるのも採用の決め手になりました」
リニューアル前のチケット売場での情報発信は、看板やポスターで行っていましたが、館内で開催している特別展やその見どころの案内、付随するボランティアガイドの開催状況など、来館者へ館内のサービスをより効果的に伝える手段として、デジタルサイネージが活用されています。「ミュージアムショップ内に設置したサイネージでは、開催中の展示の見どころなど、サイネージ専用に作成した Web コンテンツを表示しています。チケット売場では、PowerPoint で作成した料金表と閉館時間の情報をテロップで流しています。天候などによって閉館時間が変更されることもあるので、配信してすぐにコンテンツを変えられるのが便利ですね」とタイムリーな情報配信に活用しています。
仮想デスクトップにコンテンツ管理ソフトを設定し、複数の担当部門からコンテンツの配信・管理を実現
MVS 専用のコンテンツ管理ソフトウェア「EMPopMaker」は、コンテンツの作成からタイムテーブル、配信スケジュールが、シンプルな操作で簡単に設定できます。この「EMPopMaker」を仮想デスクトップにインストールし、複数の部門から運用できる環境を実現しました。
「チケット情報や閉館時間などのコンテンツは当社が納入した PowerPoint のテンプレートを担当部門が更新し、展示催し物情報は Web と連動し自動更新するため、複数の担当者がコンテンツを配信でき、日々変化していくコンテンツを配信できるシステムを構築しました」と丹青社ならではのシステム構築を実現しています。また、Web コンテンツはレスポンシブ Web デザインでプレビュー用のページを作成し、画面サイズの違う担当者の PC 上でも全画面でサイネージコンテンツの確認をしています。「今後は緊急時などに流せるテロップの割り込み機能などもあるといいですね。常に導入先のお客様の要件をお聞かせいただいた後、ケースバイケースで製品を選定しております。今後もご相談させていただきたいです。」とミラクル・リナックスへの期待を寄せています。
システム構成イメージ
取材協力: 株式会社丹青社(本社:東京都港区)