サイバートラストが 経済産業省「地域分散クラウド技術開発事業」において地域分散型の低遅延 IoT 機器認証サービスの研究開発目標を達成
〜 新開発の OSS ベースの認証基盤と IoT 機器向けトラストサービスで当社比約 800 倍の業界最高水準の発行速度を達成し、建設現場向けの DX 化を想定した IoT 分電盤システム活用のユースケースで効果を実証 〜
2021 年 3 月 30 日
サイバートラスト株式会社
サイバートラスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:眞柄 泰利 以下、サイバートラスト)は、経済産業省の公募により採択された、令和2年度産業技術実用化開発事業費補助金「地域分散クラウド技術開発事業 ※1」に基づいて、「セキュアな IoT サービスを実現するための分散型低遅延 IoT 機器認証サービスの実証(以下、地域分散型の低遅延 IoT 機器認証プラットフォーム)※2」における実証実験を実施し、その有効性として研究開発目標の評価値を達成したことを発表します。
本実証は、高い可用性とパフォーマンスが求められる IoT サービスに向けた分散型のハイパフォーマンスな IoT 向け認証局として、三拠点以上のデータセンターの一体的な運用と、その実現のための仮想化環境の活用と高速なデータ処理の実現などを要件として実施しました。
ユースケースを意識した実証実験として竹中工務店(社長:佐々木 正人 以下、竹中工務店)および SB テクノロジー株式会社(代表取締役社長 CEO:阿多 親市 以下、SBT)、日本電気株式会社(代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:新野 隆 以下、NEC)の協力を得て、イメージセンシング、AI を活用したリアルタイムの安全管理、盗難防止などのソリューションを実証した結果、認証設備三拠点の連携環境での動作に加え、証明書発行レイテンシが 0.5 秒、三拠点連携の理論値で 3,400 件 / 秒(当社比 800 倍)など、研究開発課題としていた可用性とハイパフォーマンスを実現しました。
1. 実証の内容
本実証では、竹中工務店より仮設分電盤:「TSUNAGATE™」および、工事用電力を供給する仮設電源線を用いた高速電力線通信(PLC)環境 を適用したシステムと実証実験環境の提供・協力を受け、建設現場や資材置き場を想定した環境において、サイバーセキュリティ対策や、AI を活用した盗難防止および作業員の安全性確認といった実証実験を行いました。建設現場(作業所)を想定したセキュアな「スマートコンストラクション環境」実現に必要な要素技術に関する実証実験を実施し、その有効性を実証しました。この有効性の実証において、当社と竹中工務店、SBT、NEC の 4 社で共同開発した BA/FA 向けサイバーセキュリティ対策システム「Smart Secure Service(スマート・セキュア・サービス)」を活用しています。
2. 実証の成果
このたびの実証で以下の研究開発目標を達成し、建築現場における作業効率化に向けた評価を実施しました。
- 地域分散認証基盤
- 国内の WebTrust for CA/EV 認定取得済み認証設備三拠点の連携環境を構築
- 証明書発行レイテンシ:0.5 秒
- 三拠点連携で 3,400 件 / 秒(理論値)※当社比 800 倍
- 映像監視システム
- 画像認識 AI 技術を用いた工具の盗難検知、人の異常行動検知を実現
- 数秒で異常通知
※今後、個人・個体識別、安全/災害低減に向けた取組みを継続
- スマートコンストラクション実証実験
- 建設現場ネットワークに接続される機器の異常検知を評価
※今後、ゼロトラスト対応に向け、作業従事者、接続端末など、厳密な認証強化を推進し、2021 年 6 月より商用化予定
- 建設現場ネットワークに接続される機器の異常検知を評価
3. 今後の展開
本実証の成果を活用し、スマートコンストラクション / ビル、V2X ※3 / 自動運転、ロボティクス産業機器など、セキュアでリアルタイムの認証が求められるエッジ AI を含む次世代の IoT ソリューションに必須のプラットフォームを実現し、早期の事業化を目指してまいります。
- ※1
- 「産業技術実用化開発事業費補助金(地域分散クラウド技術開発事業)」とは:
5G などの大容量・低遅延での通信を可能にする次世代通信技術の普及を背景に、地域に分散したデータセンターを活用した分散型クラウド基盤を構築するため、分散したデータセンターを統合管理する技術や、高効率なネットワークのための高速処理技術の研究開発等に関する事業に係る経費に対して、当該費用の一部を補助する経済産業省の公募事業。クラウドサービスに係る処理等が一拠点に集中することを回避し、各データセンターを統合的・効率的に運用しつつサービスを高速・円滑に提供する技術を確立することを目的としています。
令和2年度補正予算「産業技術実用化開発事業費補助金(地域分散クラウド技術開発事業)」の2次公募について - ※2
- 「地域分散型の低遅延 IoT 機器認証プラットフォーム」とは:
サイバートラストが推進する研究開発で、地方に分散したデータセンターを統合管理する技術や、高効率なネットワークのための並列処理技術の研究開発として評価されたものです。
ゼロトラストアーキテクチャ ※4 の思想を前提とした IoT 機器のセキュリティ対策として、半導体製造時の鍵管理から機器開発、証明書発行、配付、廃棄までのライフサイクル管理をサポートするプラットフォームです。昨今の社会のデジタル化への課題を踏まえ、自動車、スマートビル・データセンター、医療情報システムなどを対象に、DX 時代における信頼できる IoT 機器データの活用のため、膨大な IoT 機器の管理、データの地域分散型の低遅延処理の必要性などに応えることを目的としたプロジェクトです。 - ※3
- V2X とは:Vehicle to X の略で、車と何か(車同士、歩行者、インフラ、ネットワークなど)の相互連携を総称するコネクテッド技術のひとつです。
- ※4
- ゼロトラストアーキテクチャとは:
「ゼロトラスト」を実現するためのセキュリティの構築方法。「ゼロトラスト」は、社内外のネットワークを区別せず、信頼しないことを前提として、すべての接続者、接続端末に対してアクセス認証を行い、毎回セキュリティレベルに達しているのかを検査することでセキュリティを担保すること。2010 年に Forrester Research 社の John Kindervag 氏により提唱された概念モデルで、パブリッククラウドの活用や API によるビジネスサービスの連携などを背景に重要視されています。
関連 Web サイト
- サイバートラストが「産業技術実用化開発事業費補助金(地域分散クラウド技術開発事業)」の補助事業者の採択を受け実証事業を開始(2020 年 10 月 27 日プレスリリース)
- SBT、NEC、CTJ が共同開発した建物向けサイバーセキュリティ対策『Smart Secure Service』を提供開始(2020 年 10 月 22 日プレスリリース)
サイバートラスト株式会社について
サイバートラストは、日本初の商用電子認証局として 20 年以上にわたり提供している認証・セキュリティサービスと、ミラクル・リナックスのカーネル技術やオープンソースソフトウェア(OSS)の知見を応用したオンプレミス、クラウド、組込み領域向けの Linux/OSS サービスを展開しています。また、これらの技術や実績を組み合わせ、IoT をはじめとする先端分野に向けて、「ヒト・モノ・コト」の正しさを証明し、お客様のサービスの信頼性を支えるサービスを推進しています。
「信頼とともに」。サイバートラストは、IT インフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現します。
当プレスリリースに関するお問い合わせ先
サイバートラスト株式会社
広報担当:椎名
メール: press@cybertrust.co.jp
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