サイバートラストが電子文書の信頼性を担保する「iTrust リモート署名サービス」を機能強化
〜 電子帳簿保存法改正への対応やインボイス制度の導入に向けて、請求書発行サービスなどにおけるセキュアでスピーディーな電子署名とタイムスタンプの付与を実現 〜
2022 年 4 月 26 日
サイバートラスト株式会社
サイバートラスト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:眞柄 泰利 以下、サイバートラスト)は、デジタルトランスフォーメーションにおけるビジネスプロセスのデジタル化を実現するトラストサービス「iTrust(アイトラスト)」シリーズの「iTrust リモート署名サービス」に、大量の電子文書へ署名を可能にし、通信負荷を軽減するための機能を強化しました。このたびの機能強化では、新たに開発した「iTrust リモート署名サービス クライアントアプリケーション」および「iTrust リモート署名サービス クライアントライブラリ」によって、これまでより柔軟かつ、大量の電子文書への電子署名・タイムスタンプの付与を可能にしています。請求書発行サービスや電子帳票システムなどを提供する事業者は、「iTrust リモート署名サービス クライアントアプリケーション」および「iTrust リモート署名サービス クライアントライブラリ」を組み込むことで、電子署名・タイムスタンプの付与時に電子文書を送受信せずに署名処理を行うことにより通信負荷を軽減するとともに、スピーディーな処理を可能にします。本機能により、請求書や納品書などの電子化において、将来的に必要となる日本版 e シール ※1 の付与をサポートする予定です。
「iTrust リモート署名サービス」は、書面の電子化で求められる長期間に渡る真正性を確保するための長期署名規格(PAdES※2)に対応した電子署名・タイムスタンプ機能を提供するクラウドサービスです。利用者の署名鍵 ※3 はサイバートラストが運用する電子認証センター設備内の HSM※4 で安全に保護され、本人のみが電子署名のために利用できるように管理されているため、電子文書発行システムのサービス事業者は HSM の運用負荷なく安心してリモート署名機能を実装することができます。
このたび機能強化した「iTrust リモート署名サービス」では、「iTrust リモート署名サービス クライアントアプリケーション」および「iTrust リモート署名サービス クライアントライブラリ」による PDF への署名処理により、お客さまの電子文書発行システム外で PDF を送受信することなく署名処理を行うため、以下のメリットを提供します。
- 電子文書の漏洩や改ざんのリスクを抑えてセキュアな文書管理が可能
- データの送受信量の削減により、クラウドサービス通信料や帯域確保に必要な設備費、電気代などのコスト削減が可能
- 大量発行する電子インボイスのスピーディーな処理が可能
今後、2023 年 10 月より導入される適格請求書保存方式(インボイス制度)※5 の施行によって請求書や納品書をはじめとする会計上重要な文書の電子化がさらに加速するとともに、月末月初などの特定の時期に集中した大量の電子インボイス発行や、電子文書の真正性確保が厳格に求められることが予測されます。インボイス制度においては、事業者が大量に発行する電子請求書に対して、e シールの付与を支援する予定です。サイバートラストは、「iTrust リモート署名サービス」の機能強化により、さまざまな文書の電子化ニーズに向けて電子署名機能を柔軟に活用可能にすることで、事業者のサービスの信頼性向上と利用者の利便性向上を支援します。
「iTrust リモート署名サービス」について
iTrust リモート署名サービスは、書面の電子化や電子契約で求められる電子文書の長期間に渡る真正性を確保する長期署名に対応したクラウドサービスです。JIPDEC の厳格な基準に基づく審査を実施し、厳格な規程をもって運用されているリモート署名(電子契約)サービス として、国内で初めて「JIPDEC トラステッド・サービス ※6」に登録されています。
「iTrust リモート署名サービス」についての詳細は、 こちら をご参照ください。
「iTrust リモート署名サービス クライアントアプリケーション」の特長
Azure、AWS やオンプレミスなど多様な動作環境に対応し、事業者のサービスへ短い工数で容易に「iTrust リモート署名サービス」を利用可能にします。月末月初など一度に電子インボイスの発行が集中する事業者に向けて、セキュアでスピーディーな電子署名とタイムスタンプの付与と通信負荷の軽減を支援します。
「iTrust リモート署名サービス クライアントライブラリ」の特長
「iTrust リモート署名サービス クライアントアプリケーション」と同様に事業者の大量の電子インボイス発行を支援するほか、導入時の開発により、お客様の業務フローに合わせてリモート署名サービスを柔軟にシステムへ組み込み可能にします。メリットの一例として、複数の PDF からハッシュ値 ※7 を取得して一度に暗号化することで、データの処理・伝送にかかる負荷や時間を削減することができます。
- ※1
- 日本版 e シールとは:電子文書の発信元の組織を示す目的で行われる暗号化などの技術である e シールの日本版で、企業の角印の電子版に相当します。「日本版 e シール」に関する技術・設備・審査・運用基準・規格などの検討が進められており、総務省より「e シールに係る指針 」が示されています。
- ※2
- PAdES とは:電子署名とタイムスタンプを組み合わせた長期署名規格(PDF Advanced Electronic Signatures)で、長期署名に関する国際規格のひとつ。PDF ファイルの中に電子証明書や失効情報などの検証用情報を組み込むため可搬性に優れ、電子署名の有効性について十年超の長期間にわたって証明可能にしています。
- ※3
- 署名鍵とは:電子証明書に紐づく秘密鍵を電子署名で使用する場合に署名鍵と表現しています。
- ※4
- HSM とは:Hardware Security Module という安全な機器で、秘密鍵を HSM に保管し不正に外部にコピーされない対策を行ったうえで、電子証明書を契約者本人以外が利用できないような厳格な認証を行い、クラウド上で電子署名することができます。
- ※5
- 適格請求書保存方式(インボイス制度) とは:取引の正確な消費税額と消費税率を把握することを目的に、2023 年 10 月 1 日から導入される仕入税額控除の方式です。消費税の仕入税額控除の適用を受けるために保存すべき請求書などの様式が「適用税率や税額の記載を義務付けた請求書(インボイス)」に変わります。
- ※6
- JIPDEC トラステッド・サービスとは:インターネット上のサービスを第三者機関である一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が安全なサービスであることを確認し、信頼性(トラスト)を担保する仕組み。
JIPDEC ホームページ:JIPDEC トラステッド・サービス登録(電子契約) - ※7
- ハッシュ値とは:元になるデータから一定の計算手順により求められた固定長の値。その性質から暗号や認証、データ構造などに応用されています。
サイバートラスト株式会社について
サイバートラストは、日本初の商用電子認証局として 20 年以上にわたり提供している認証・セキュリティサービスと、ミラクル・リナックスのカーネル技術やオープンソースソフトウェア(OSS)の知見を応用したオンプレミス、クラウド、組込み領域向けの Linux/OSS サービスを展開しています。また、これらの技術や実績を組み合わせ、IoT をはじめとする先端分野に向けて、「ヒト・モノ・コト」の正しさを証明し、お客様のサービスの信頼性を支えるサービスを推進しています。
「信頼とともに」。サイバートラストは、IT インフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現します。
当リリースに関するお問い合わせ先
サイバートラスト株式会社
広報担当:椎名
メール:press@cybertrust.co.jp
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