2023 年 12 月 04 日
医療機関で進むインフォームド・コンセントの電子化
~ 同意書や承諾書などの電子化により、患者や医療従事者の負担軽減に ~
インフォームド・コンセントとは?
インフォームド・コンセント(Informed Consent)は、医療や研究などの分野で使用される法的および倫理的な概念です。このインフォームド・コンセントは、患者や被験者などの関係者に対して、何らかの医療処置、治療または研究に関する情報を提供し、その情報を理解したことを同意したことの権利を保護するものです。
インフォームド・コンセントの主な要素には以下のような内容が含まれます。
情報提供 | 患者や被験者に提案された医療処置、治療や研究に関する利点、予想される結果などの詳細な情報提供 |
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書面による同意 | 一般的に同意は紙の文書で記録され、患者や被験者、医師などの関係者による署名がなさ証跡として利用 |
プライバシー保護 | 患者や被験者のプライバシーと機密性や関係する情報を適切に保護 |
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
厚生労働省より、2023 年 5 月に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」の第 6.0 版が公開されました。本ガイドラインの経営管理編では、医療機関等における医療情報と医療情報システムの安全管理において、医療機関等の経営層が、経営管理上、遵守すべき事項とその考え方が示されており、そのなかに「医療情報及び医療情報システムに対するリスク評価の重要性」と「リスク評価を踏まえた経営資源・資産の安全管理に関する方針の策定、安全管理対策の必要性、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の確立」が明記されています。また、本ガイドラインの企画管理編に記載されている法令で定められた記名・押印のための電子署名の要件があり、従来は紙の同意書や承諾書などに患者本人の署名が必要だった書類を電子化することで、患者や医療従事者の負担を軽減することができ、医療 DX を推進することが可能です。
(出典)厚生労働省「 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版 」
インフォームド・コンセントの電子化によるメリット
従来紙の同意書や承諾書での運用では、同意書の保管、持ち忘れや紛失などの課題があり、電子化することで以下のようなメリットがあります。
- ペーパーレスによるスキャン・保管料などのコスト削減
- オンライン上での取得・管理による業務効率化
- 電子署名を含む同意書を電子化することで紛失や持ち忘れなどのリスクを軽減
サイバートラストでは、インフォームド・コンセントの電子化における発行元証明と改ざん対策を可能にする「iTrust 電子署名用証明書 」ならびに「iTrust リモート署名サービス 」を提供しています。
「iTrust 電子署名用証明書」を発行する電子認証局は、Adobe 社の Adobe Approved Trust List(AATL)に対応しているため、Acrobat Reader で開くと「署名済みであり、すべての署名が有効です」と表示され、視覚的に信頼することができます。また、「iTrust リモート署名サービス」は、書面の電子化で求められる長期間に渡る信頼性を確保するための長期署名規格(PAdES)に対応した電子署名・タイムスタンプ機能を提供するクラウドサービスです。
電子同意書に「iTrust 電子署名用証明書」と「iTrust リモート署名サービス」を活用することで、署名が本人によるものであることと、署名後に書類が改変されていないことを担保できる仕組みを実現することができます。