2026 年 02 月 16 日
eシールはどうやって導入する? 手軽な「ハンコ押し」から「全自動化」まで、規模別の最適解とメリットとは
組織が発行する電子データの「信頼性」を証明する「e シール(イーシール)」。
これまでの連載では、e シールが「企業などの社印や組織印の電子版」であることや、電子署名との違い、そして導入によって業務効率化と信頼性向上が実現できるメリットについてお話ししてきました。
「必要性はわかったけれど、導入するには新しいシステムの開発や、難しい設定が必要なのでは?」
「うちは発行する書類の枚数が少ないから、大掛かりな仕組みはちょっと ......」
もしそう思われているなら、それは誤解です!
e シールの導入は、手元のパソコンで手軽に始めることが可能です。
今回は、具体的な「e シールの導入方法(実装パターン)」について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
あなたの組織はどのタイプ? 選べる 3 つの導入パターン
近年、e シールは自治体の行政手続きや教育機関の各種証明書発行、製造業における品質・材料証明書など、電子データの発行元の真正性が求められる領域で活用が進んでいます。
e シールを導入するには、認証局(サイバートラストなど)から発行された「e シール用証明書」を PDF などのデータに付与する仕組みが必要です。
サイバートラストでは主に、以下の 3 つのパターンをご用意しています。
書類の「発行頻度」、お客様の「予算」、「システム環境」に合わせて最適な方法をお選びいただけます。

1. 【小規模・手軽にスタート】USB トークン × Adobe Acrobat Reader
「まずはコストを抑えて、小規模に始めたい」という組織で「特定の担当者が承認・発行を行う業務」におすすめの方法です。
- 仕組み :
e シール用証明書が入った「USB トークン」をパソコンに挿し、無料の PDF 閲覧ソフト「Adobe Acrobat Reader」を使って、書類1つずつにスタンプを押すような感覚で e シールを手動で付与します。 - メリット :
システム開発が不要で、USB トークンと PC があればすぐに始められます。
紙の書類に角印を押していた業務を、そのままデジタルに置き換えるイメージで導入できます。 - おすすめのシーン :
- 発行枚数が月に数件〜数十件程度の証明書や契約関連書類
- 特定の担当者が承認・発行を行う業務
2. 【中規模・効率化】署名ツール(オプション)
「まずはコストを抑えて、小規模に始めたい」という組織で「部署単位でまとめて処理する定型業務」におすすめです。
- 仕組み :
パソコンに専用の「署名ツール」をインストールし、そのツールを用いて指定した PDF ファイルに e シールを付与できます。 - メリット :
システム開発が不要で、既存の PDF 作成フローに「e シール付与」の工程を追加するだけで済みます。 - おすすめのシーン :
- 発行枚数が月に数件〜数十件程度の証明書や契約関連書類
- 部署単位でまとめて処理する定型業務
3. 【大規模・全自動化】API 連携 × リモート署名サービス
「発行枚数が多く、完全に自動化したい」「既存の業務システムから直接発行したい」という組織におすすめです。
- 仕組み :
お客様が利用している「文書発行システム」や「教務システム」「帳票システム」と、サイバートラストの電子署名クラウドサービス「iTrust リモート署名サービス」を API※で連携させます。
- ※
- API とは:人が操作しなくても、システム同士が連携することにより、自動で必要な情報をやり取りできる仕組みです。
- メリット :
PDF が生成されるタイミングで自動的に e シールが付与されるため、人の手を介さず、大量の処理が可能です。
USB トークンの物理的な管理が不要になり、クラウド上で安全に鍵管理が行われます。 - おすすめのシーン :
- 教育・文教分野 : 大学の卒業証明書、成績証明書のコンビニ発行やオンライン送付
- 製造・品質管理分野 : 鉄鋼メーカーのミルシート(鋼材検査証明書)や、計測器の校正証明書の自動発行
- 行政・自治体 :納税証明書や各種処分通知のデジタル交付
さいごに:まずは「相談」から始めてみませんか?
e シールの導入は、必ずしも大掛かりなシステム投資が必要なわけではありません。
「まずは USB トークンの導入で手軽に始める」「ゆくゆくはシステム連携で自動化する」といったように、組織の成長やニーズに合わせてステップアップしていくことが可能です。
「自社の業務にはどのパターンが合っているの?」「具体的な費用感を知りたい」など、e シールに関する疑問やご相談がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。お客様に最適な導入プランをご提案いたします。
次回は「認定 e シールと今後の展望」について詳しく解説します。
本記事に関連するリンク
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- 【基礎から分かる e シール入門】2025 年運用開始、組織印の電子版「e シール」とは?~電子書類の真正性を担保し、企業の信頼性向上にも貢献~
- 【基礎から分かる e シール入門】e シールと電子署名の違いとは?~コスト削減と電子文書の信頼性担保、顧客ニーズへの対応 ... 組織が抱える課題を解決~
- GIGA スクール第3期に合わせて運用開始?「教育分野の認証基盤」と「e シール活用」
(連載バックナンバー)
- 第 1 回:2025 年運用開始、組織印の電子版「e シール」とは?
- 第 2 回:e シールと電子署名の違いとは?
- 第 3 回:e シール導入による信頼性向上と効率化のメリット









