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eシール導入による信頼性向上と効率化のメリット

~ 紙の文書の電子化における課題と解決方法 ~

はじめに

企業・組織から発行される請求書や領収書、品質保証書、教育機関から発行される卒業証明書など多くの書類が紙で発行されています。
しかし、昨今は提出先によっては紙よりも PDF での提出を求められることも増えてきたというお客様の声を耳にします。

eシール導入のメリット

一般的に提出書類を紙から PDF ファイルに電子化すると以下のようなメリットが期待できます。

  • コスト削減と業務効率化
    印刷や郵送が不要になり、コスト削減につながります。
    国外へ郵送する場合には費用負担が大きいため特に有効です。
    また、文書を大量に発行する場合でもシステムで一括発行することも可能なため、封入や切手の貼り付けなど事務作業の負担を軽減しますし、再発行も容易です。
  • 紛失や破損のリスク
    PDF ファイルで保存すれば、データはクラウドや複数のストレージにバックアップ可能で、紙のように破損、汚損することもありません。
  • 受け取り先が書類を受け取るまでのリードタイムの短縮
    印刷・郵送といった工程を省略でき、送付もメールやダウンロードで提供できるので、受け取り先が書類を受け取るリードタイムが短縮できます。
    こちらも受け取り先が国外の場合は効果が非常に大きいです。

ただ単に文書を PDF 化しただけでは以下の課題が残ってしまいます。

  • 誰が発行したかを確実に証明できない
  • 内容が改ざんされるリスク

技術の進歩により偽装や改ざんが巧妙に行えるようになってきた時代背景もあり、上記の課題解決のために近年は PDF 化と併せて eシール(電子版の角印に相当)を付与した書類を発行するケースが増えてきています。
また、PDF に eシールを付与することで上記の課題を解決するとともに、国際間の書類提出にも有効なケースがあります。
まとめると下記の内容になります。

  1. 発行元の証明
    発行文書が発行元による正式なものであることを証明できます。
  2. 内容の改ざん防止
    改ざんがあれば即座に検知できるため、改ざんを防止可能です。
  3. 国際間連携への対応
    例えば EU 圏には、電子取引の信頼性とセキュリティを保護するための法的規則「eIDAS(EU 規則 )」がありますが、そういった提出先の基準に適合した eシールを利用すれば、海外の教育機関や組織に書類を提出した場合でも信頼性の高い文書として活用できます。 eIDAS 規則については、本連載の第 1 回で詳しく解説しています。
    EU 圏やその他海外の大学に進学する際などに eシールを付与した卒業証明書の PDF であれば、提出先の大学に対して信頼性が高い文書として提出することが可能です。

【eIDAS 圏内の組織に電子文書(PDF)を提出する場合】

このように eシールをうまく活用することにより、組織の電子文書の運用を安全かつ効率的に進めることができますので、自組織の運用にあった導入をぜひ検討してみてください。

おわりに

今後組織が発行する電子文書を提出、配布する際には eシールのようなトラストサービスを利用することで文書の信頼性を高めつつコスト削減することが可能です。

サイバートラストの「iTrust eシール用証明書」は、国内で唯一、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)※1のトラステッド・サービス登録※2(認証局)に設けられた eシール用証明書の項目を満たしており、 サイバートラストが厳格に審査した組織のみに提供されるため、組織が様々な電子文書を発行する際に、「iTrust eシール用証明書」を用いて eシールを付与することで、電子文書の発行元である組織の実在性や正当性を証明することができます。国際的な電子認証局の監査規格である WebTrust for CA 監査に合格し、Adobe 社の認定するルート証明書リスト(AATL)※3に対応しており、Adobe Acrobat や Acrobat Reader の署名パネルおよび証明書ビューアで、下記の表示のように利用者が直観的・視覚的に発行元証明と改ざんの有無を確認できるため、真正性の担保はもちろん、利便性も高い証明書となります。

■改ざんされていない場合

対象の電子文書が「どこ」から発行・発出されたかが表示されます。

■改ざんがあった場合

電子文書が改ざんされている場合は「証明は無効です」と表示されます。

※1
JIPDEC とは:安心安全な情報利活用環境の構築を目的に、プライバシーマーク制度の運営、電子証明書を発行する認証局等の信頼性を評価するトラストサービス評価事業、情報の保護と活用に関する調査研究・政策提言、電子署名法に基づく特定認証業務の調査、ISMS 等情報マネジメントシステムの普及啓発等を行う団体。
※2
JIPDEC トラステッド・サービス登録とは:インターネット上のサービスを第三者機関である JIPDEC が安全なサービスであることを確認し、信頼性(トラスト)を担保する仕組み。
※3
AATL とは:「Adobe Approved Trust List」として、Adobe 社が求める要件をクリアした電子認証局のリスト。AATL に登録された電子認証局から発行される PDF 文書署名用電子証明書により、法人(組織)名、住所、署名者の肩書(または所属部署)、署名者の氏名について PDF 上で簡単に電子署名の有効性を検証でき、 署名者本人が押印したものであることの確認が可能。

今後活用の期待が高まる eシールについて検討を進められる場合、お気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。

次回は「eシールの導入方法」について詳しく解説します。

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