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システムバックアップ

2021 年 05 月 21 日

「こんなはずじゃなかった!」にならないためのシステムバックアップ選び

システムバックアップでよくあるトラブル

米 EMC 社が 2012 年 6 月 15 日に発表している災害復旧(DR)に関する調査結果によると、日本企業の 50% が、過去 1 年間でデータ損失またはダウンタイムを経験したと回答しています。
また同じ調査で、全体の 89% の企業が、システムの復旧やダウンタイムからのデータ復旧について完全な自信がないと回答しています。

データ損失の可能性はどの企業にも当てはまり、確実に復旧するための方法が必要です。
企業システムを復旧する手段として、システムバックアップ(あるいはイメージバックアップ)は強力な解決策であり、多くの企業ではいざという時に備えて、システムバックアップを実施しています。

ただ、システムバックアップにも落とし穴があり、トラブルとなるケースが存在するのをご存じでしょうか?
これを知らないと、あなたもこの「落とし穴」にはまってしまうかもしれません。

以下に、システムバックアップでの代表的なトラブルをまとめました。「こんなはずじゃなかった!」にならないために、ぜひご覧下さい。

出典:EMC ジャパン 2012 年 6 月 15 日プレスリリース

問題 1:バックアップソフトがシテム構成に対応していないので使えなかった

HA クラスタ、FC マルチパス、SAN ブート、マルチ OS、仮想化基盤といった企業システム環境で使われるテクノロジーに対応しておらず、バックアップソフトが使えなかった。
さらに、バックアップ前にあらかじめケーブルを抜いておかなければならないことが後から分かった。

問題 2:バックアップ対象ごとに製品や操作手順が違っていた

バックアップソフトが OS ごとに別製品となっており、バックアップ対象 OS ごとに購入しなければならなかった。おまけに、操作手順も製品ごとに違っているため、OS の種類だけ操作手順書を用意しなければならなかった。
さらに、仮想化基盤用の製品も別に存在するため、仮想化基盤システムを全てバックアップする際は、大量の操作手順書を作らなければならなかった。

問題 3:エージェントの検証、運用に手間がかかる

バックアップ対象に企業システムにエージェントをインストールする必要があるため、大規模な検証環境の用意が必要だった。
また、最新 2 バージョンまでしかサポートしていないため、新しいバージョンが出るたびに検証環境を確保し、バックアップ / リカバリの検証と操作手順書の作成をしなければならなかった。

システムバックアップツールの選定条件

前述のトラブル事例から容易にわかることは、世の中のシステムバックアップツールの多くが、企業システムで採用されているテクノロジーの変化や、それに伴うバックアップ要件の変化に追いついていないという事です。

それでは、さきほどのようなトラブルを未然に防ぐためには、どういった基準でシステムバックアップツールを選べばいいのでしょうか。
これからますます多様化・複雑化していく企業システムを確実にバックアップするために、ツールに必要な条件は、最低限以下の 3 つと言えます。

条件 1:複雑なシステム構成への対応していること

近年サーバ環境は、ますます複雑化しています。
物理/仮想、Windows/Linux の混在環境のブレードサーバに SAN のストレージをマルチパスで接続し、SAN ブートをしているということも珍しくなくなりました。更に、これらの環境を必要に応じてクラスタリングするということも一般的になっています。
システムバックアップソフトを選ぶ際はこれらのような自社で利用ししているシステム構成を確実にサポートされていることが重要です。
企業環境で利用するシステムバックアップツールでは、多くの機能を持っていることよりも、多くの環境に対応していることの方が遥かに重要です。

条件 2:操作が簡単であること

オペレーションミスを防ぐために、バックアップ対象の OS が異なっても、バックアップ / リカバリの手順が同じであること。加えて設定項目も少ないことが望ましいといえます。
また、バックアップ / リカバリ時にバックアップ対象の OS やソフトウェアの設定変更、あるいはケーブル抜線などハードウェアの構成変更が不要であることを確認ください。

条件 3:できればエージェントレスであること

エージェントを使用するタイプのシステムバックアップソフトは、OS を稼働させたままバックアップできるため、スケジューリング、差分/増分バックアップ、バックアップの前/後処理などのメリットがありますが、その反面、エージェントの定期的なアップグレードが必要だったり、そのためのバックアップ/リカバリの検証、そして検証環境の手配など、運用の手間もかかります。
もし、「対象のシステムにエージェントを入れたくない」、あるいは「アップグレード時のための検証環境を都度用意するのが難しい。」ということであれば、エージェントレスタイプのバックアップソフトを選ぶ方が良いでしょう。


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