プレスリリース

サイバートラストとイー・フォースが組込み開発分野で協業

～ Arm のマルチコア技術を活用して Linux と RTOS の共存を推進～

2018 年 6 月 25 日
サイバートラスト株式会社
イー・フォース株式会社

サイバートラスト株式会社（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：眞柄泰利　以下、サイバートラスト）とイー・フォース株式会社（本社：東京都中央区、代表：與曽井陽一　以下、イー・フォース）は、組込み機器向け OS の技術開発と Linux とリアルタイム OS（RTOS）共存のサービス確立を目的に協業を行うことを発表します。

イー・フォースは、組込みシステム向けパッケージソフトウェアの開発から販売・サポートを提供する国産の RTOS ベンダーで、これまで産業機器・FA や医療機器、IoT 機器などの分野で多数の実績と知見があります。
サイバートラストは、Linux 開発やエンタープライズサポートの事業で培った技術や知見を活かして、カーナビゲーションや映像配信機器、医療機器など用途別専用機器向けの組込み Linux で多数の実績があります。

昨今、特に医療や FA、自動車関連の組込み機器の IoT 化やタッチパネル等の表示機が普及したことで、RTOS を活用している機器メーカーでは画像処理機能やネットワーク機能を実装するニーズが増加しています。しかし RTOS はリアルタイム性能に優れる反面、共通化やオープンソース資産の活用が難しく、ネットワークや画像処理の実装コストが肥大するなどの課題がありました。一方で Linux は豊富なオープンソース資産を活用でき複雑な処理に長けるもののリアルタイム性を担保できない為に、両方の利点を活かすためのソリューションが求められています。

このような状況を背景に、イー・フォースとサイバートラストが協業することで、両社のそれぞれの OS 技術と知見を融合し、既存の RTOS 資源を活用したリアルタイム性を確保しつつ、Linux のオープンソース資源を活用したネットワーク・画像処理といった機能を一つの SoC 上に実装できるソリューションの開発を推進します。

開発にあたっては、CPU クラスタの規模を最大 8 コアに拡張でき、クラスタ内で異なる CPU コアが混在するヘテロジニアスマルチコア構成を可能にする Arm 社の「DynamIQ」テクノロジーを活用します。

今後、両社は組込み分野で実績のある OS ベンダーの技術と知見を融合することで、OS のより深い部分で連携し、安心して使える RTOS と Linux OS の共存環境を開発し、2018 年秋頃に組込みソリューションの提供を目指してまいります。

このたびの両社の協業に対して、Arm 社の日本法人であるアーム株式会社様より賛同文をいただいております。

【賛同文】
アーム株式会社
代表取締役社長内海弦様

このたびのサイバートラストとイー・フォースの協業を心より歓迎します。Linux OS と RTOS の共存ソリューション開発に、Arm が推進する「DynamIQ」テクノロジーが活用されることを大変嬉しく思います。
Linux OS と RTOS のそれぞれの強みを熟知し技術力と実績をもつ両社が連携することにより、各 OS の資産を活かしながら共存を可能にするサービスが開発されることを期待しています。また、両社の技術が活用されることで、IoT デバイスや HMI 機能搭載デバイスの増加に伴い求められるセキュリティ機能の実装や、高速起動、リアルタイム処理などの最適な実装が可能になると考えます。

イー・フォース株式会社について

イー・フォースは、μITRON 仕様 RTOS とネットワーク関連ミドルウェアを開発・販売する組込みソフトウェアの専業メーカです。今年で 12 年を迎えるイー・フォースは IoT 時代に先駆けて「省メモリ」「省電力」「軽量ネットワーク」をキーポイントに製品開発を行ってきました。高機能/高性能を追い求めるのではなく、お客様それぞれに最適な提案をいたします。

サイバートラスト株式会社について

2017年10月、ミラクル・リナックスとサイバートラストが合併し、新生・サイバートラスト株式会社が誕生しました。
新生・サイバートラストでは、サイバートラストの認証事業とミラクル・リナックスのLinux/OSS事業を組み合わせ、IoTをはじめとする先端分野における新たな価値を生み出す先駆者として、パートナー企業の皆さま、そしてお客様に貢献してまいります。
「信頼とともに」。サイバートラストは、ITインフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現します。